ichy’s diary

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【日記】リモートのデイリースクラムが終わらない話

デイリースクラムが終わらないらしい。アドバイザリーとして関わっているフルリモートチームのレトロスペクティブを聞いてみると、デイリーに40分ぐらいかかっており、それでも話が終わらないらしい。スクラム開発をやっていると スクラムガイド を読むことがあると思うが、ここには、

デイリースクラムは、スクラムチームの開発者のための 15 分のイベントである。

としっかり明記されている。型通りやっていれば15分、チームサイズやスクラムをやってなれない状態であっても20分やそれくらいで終わりそうだが40分超えて終わらないのはなかなかすごい状況だ。

聞いてみると、様々な共有を行っていたり、PM(たぶんPdM)が共有したいちょっとした話題をすべて集約して話しているらしい。

スクラムガイドによれば、

デイリースクラムの⽬的は、計画された今後の作業を調整しながら、スプリントゴールに対する進捗を検査し、必要に応じてスプリントバックログを適応させることである。

(snip)

デイリースクラムは、コミュニケーションを改善し、障害物を特定し、迅速な意思決定を促進する。その結果、他の会議を不要にする。

とあるので、このチームがやっていることそのものはたしかに正しくやっていそうだ。

そもそもなんで15分なのだろう。スクラム現場ガイド を読んでると、概ね「短い時間ほど集中できる」とか「迅速な共有で時間とお金の節約」とか、概ねそういったことが書かれていたりする。いろいろここにも思想はあるが、15分という時間制限をつける事自体は特に違和感はない。自分も一時間もミーティングをやっていると大体ダレてくるので毎日やるのであればそれこそ短い時間のほうが集中力は持ちそうだ。

よく考えると、スクラム開発はリアルな場にいることを前提としたTips等が多いイメージがある。デイリースクラムは(デイリースタンドアップって言ったりするぐらい)全員が立って15分で行うことで、身体的な負担も利用してファシリテーションを行おうとしている感じがある。さらには、アジャイル宣言の背後にある原則によれば、

情報を伝えるもっとも効率的で効果的な方法はフェイス・トゥ・フェイスで話をすることです。

と書いてあるように、面と向かって話すことも前提としている。実際面と向かって話すことが多いチームは、ミーティングとは別に常日頃話しながら仕事をすることが多いと思う。自分はこれを「非公式のコミュニケーション」と呼んでたりするけど、この非公式のコミュニケーションを全面に活用すれば、チーム内の情報共有はかなり効率的に実施できるので、デイリースクラムで話足りないことも、必要な人だけ残って話半分に聞きながらでも壁打ちすることは比較的簡単にできる。問題は、これがリモートだとかなり難しい。どうやってもミーティングをセットするという「公式のコミュニケーション」をせざるを得ない。おそらくこのチームはフルリモートであるあるなこの問題に真正面からあたってしまっているのだろうなぁと思った。

リモート下で非公式のコミュニケーションを実現するためにどうすればいいのだろう。常に何かのオンライン会議に入っておく?Google MeetやZoomなどWeb会議サービスはこういう雰囲気には少しむずかしいかもしれない。なんだかわからないがアレはなんとなく聴いている・話していることを前提としたサービスのように思える。Remo、Slack Haddleなどはたしかにサクッと話すために様々なインターフェイスを提供しているがなにか居心地が悪い。この居心地の悪さはなんだろう。

これ以上話すと色々脱線しそうなのと、眠いので気持ち悪いけどこのあたりで終えておく。